信頼から導かれた数値

本当は時系列的に書いておきたい記事があるのですが、入力が進まないので先に別記事をアップすることにします。

 


記憶を辿ること数年前。
私がまだOLで、女性でありながら男性性むきだしで社長や社内の風潮と闘っていた頃のことです。

 

その会社では春になると恒例の、生活習慣病予防検診というイベントが用意されていました。

苦手なバリウムも含め、ひととおりの検査を終えた最後の内診。

ドクターが検査のデータに目を通し、レントゲン写真を見て、おもむろに口を開きました。

 

「非常に綺麗な肺です。でも、この数値は…」

 

眉間にしわを寄せてデータを見るドクターの様子に、一抹の不安がよぎります。
私にとって健康診断は「自分が健康であることの確認」以外のなにものでもなかったのですが、ここへきて何らかの不調が見つかったのでしょうか。

 

「肺機能検査をもう一度受けてきてください。
 これだけ立派な肺なのだから、まだまだ数値は伸びるはず。
 あなたの肺の実力はこんなものじゃない

 

確信に満ちたドクターの声が診察室に厳かに響きました。

 

この年は通常の検診に加え、いくつかの検査項目が付加検診としてプラスされました。
そのうちのひとつが肺機能検査。


私が肺活量の検査を受けたのはこの時が初めてでした。

 

決して手を抜いたわけではなく、本気で真剣に、息を吸って吸って吸って吸って吐いたのです。

 

実力を出し切るために再度行なった検査でも数値はほぼ変わらず。

 

「先生がああおっしゃるのだから、もう少しがんばってみましょう」

 

看護師さんに励まされながら、酸欠なのか過呼吸なのか、頭がくらくらしてきた7回目。
それまでとは明らかに違う感触で息を吐ききることができました。

 

「はい、よくがんばりました!これなら大丈夫です!」

 

満面の笑みの看護師さんからOKをいただき、再度通された診察室ではドクターも満足げにおっしゃってくださいました。

 

「そう、これでこそあなたの肺だ」と。

 

この時は、何度も何度も検査をし直していただいた申し訳なさが先に立って、ごめんなさいの気持ちでいっぱいでした。


でも、今振り返るとこの出来事から学べたことがいくつもあるのです。

 


「私なんかのために何度も検査を繰り返させてしまってごめんなさい」と罪悪感いっぱいだったこの時点の私に、今の私が10秒ワークをするとしたら、次のようなことを伝えます。

 


・自分で自分自身に限界を設けて諦めない

 

・ジョハリの窓の「自分は知らないけれど他の人が知っている自分」も軽く流さず尊重する

 

・あまりにも当たり前で気づけなかった「健康」という状態に感謝する

 

・その場で何度も検査をやり直してもらえるほど価値ある自分(の肺)を認める

 

・良い数値を出すことを目標とするより、自分(の肺)を信じて応援することで自分自身(の肺)が味方となって最善の結果に結びつく

 

・通算8回も同じ検査を繰り返したことで記憶に残る出来事となり、現在の自分にとって必要な気づきを引き出し腑に落とす役割を果たしてくれた

 

・私の肺の実力を見抜き尊重してくれたドクターの「私(の肺)の可能性を信じぬく想い」、ドクターに対する看護師さんの揺るぎない信頼が根底にあったからこそ、実力に見合う数値を現象化できた

 

・周りの信頼に支えられて私が実力を発揮できたという実体験のおかげで、私が相手の可能性を信じぬくことで相手が本来の実力を発揮できることにつながるというリアリティを感じられた(←この仕事をする上で超重要)

 

・つまり、結果オーライ むしろ花マル

 


これだけあると10秒では伝えきれませんが…(笑)

 

今となっては「やらかした自分を責める」気持ちはまったくなく、ドクターや看護師さんへの感謝とともにそれを経験してくれた自分にも感謝の気持ちでいっぱいです。

 

こうして記事を書くためのいい題材にもなってくれましたし。
健康診断を受ける時にこの記事を思い出して和んでくれる人もいるかもしれません。

 

あとは「肺」が強調されていましたから、あの頃の停滞していた職場の「空気」を変えようと闘っていた自分にも10秒ワークです。

 

「非常に綺麗」「立派な」とドクターに言わしめたのは私の肺ですが、職場の中で私はそのような存在であり続けようともがいていました。
「綺麗」は容姿のことではなく、「反論できないほどの正論」のようなニュアンスで。

 

 

数年を経た今だからこそ、あの頃の自分に伝えられることがあります。
あの頃の自分がきっと聞きたかったであろう言葉を、かけてあげることができます。
今、ここにある現在の私から。

 

そして、それはあなたにもできること。

 

 

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10秒ワークには、過去に置き去りにされたまま膝を抱えてうつむいている自分自身の手を引き、無理強いすることなく過去の自分自らの意思で立ち上がり、共に歩み出す力があります。

 

セッションでは、それぞれのクライアントさんに必要な10秒ワークを具体的に提案いたします。
過去の自分にどう声をかけたら安心してもらえるのか(場合によっては許してもらえるのか)一緒に考えていきましょう。

 

 

10秒ワークについて詳しく知りたい方は、佐藤由美子先生の著書「うまくいきそうでいかない理由」をぜひご覧になってみてください。

 

 

 

また、10秒ワークに特化した教材『The 10-Second Change』もフォレスト出版から発売されています。

 

 

あなたは自分の人生のタイムラインに干渉することができるのです。
あなた自身が時空力メソッドという手法を使うことによって。