時空を超える想い

私には20代半ば過ぎ頃に、約一年間実家に引きこもっていた時期があります。

ざっくり説明しますと、7年間お付き合いした9歳年上の彼と別れ、自分の存在に意義を見出せなくなっていたのです。
仕事を辞め、一人暮らししていた札幌のアパートを引き払って実家に戻り、外出はおろか部屋から出ることさえも苦痛な日々を過ごしていました。

時は1999年。
私はノストラダムスの予言が叶うことを願って、その予言が叶うことだけを願って、静かに生きていました。

予言の7月が過ぎ、8月が過ぎ、9月が過ぎても滅びる気配のない現実を直視せざるを得なくなり、途方に暮れ始めた10月。
どうしたらこの世界からいなくなることができるか、自分の存在を消すことができるか、そればかりを考えていたある日。

ベッドで体を起こし、ぼんやり天井を見ていた私は、誰かに頭を撫でられました。
私以外に誰もいない、私の部屋で。

温かくて優しい、慈しみのこもった、確かな手の感触。

その途端、涙が止まらなくなりました。

なぜかはわかりません。
悲しいのかうれしいのかもわかりません。
ただ、涙が流れ続けるのです。

ようやく涙が止まった時、空っぽだった私の中に、散り散りになっていた私のかけらが戻り始めていました。

私を撫でてくれた手が誰のものなのか。

神様の手だと思っていた時期が長い間ありました。
まだ出会っていなかった私の魂の片割れだったのだと思った時期もありました。

自分の外に探したから大きく回り道をしました。
でも、その回り道すら必然。
回り道をしたからこそ、確信をもって知ることになるのです。

これまでの人生史上、最高レベルで私の魂が救いを求めていた時期に、差し伸べられた救いの手。

それは、神様の手を借りて過去へと干渉した、未来の私からの想いでした。



時空力メソッドを学ばれている方にはお馴染みの「過去への手紙」。
この手紙をメインに養成講座生同士のグループセッションを行なう機会がありました。

セッションのテーマが定まらないまま手紙を書き始めた私は、次第にトランス状態に。
書き上がった文章には「これ、私が書いたんだよね?」と記憶が飛んでいる部分もありました。

この時に書いた手紙を、多少の修正と省略を加えて掲載します。

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※

 

 

 

 

 

親愛なる17年前の和恵さん

 

今、私は2016年11月という時間を生きています。
そう、17年後、あなたは生きています。


つらい時期を乗り越えた未来の私からどうしても伝えたいことがあって、生きることに抵抗を続けている今のあなたに手紙を書くことにしました。

 

 

この17年という月日の中で、あなたは肉体の死を経ずして幾度か生まれ変わりを体験します。


あなたは今が人生で最もつらい時だと感じているかもしれません。
確かにつらい時期でした。
何もかもが色褪せ、生きるということに何の希望も持てずにいました。

 

 

それでも、あなたは生きるのです。

 

 

なぜならあなたはまだ、「和恵」としてこの時代のこの場所で人として生まれることを選んできた、あなたの魂の目的を果たしていないどころか、目的があって今ここに在ることにさえ気づいていないのですから。

 

 

7年お付き合いしてきた彼に結婚の意思を訊いてみたのは、あなたにとって本当に勇気の要ることでした。
彼が9歳年上ということもあり、大人な彼にふさわしくあろうとずっと背伸びを続けていたあなた。
なのに、彼はあなたではなく、数ヶ月前に自殺未遂を起こした彼のお兄さんに代わって義理のお姉さんと甥・姪を養い続ける生き方を選んだのです。


しかも「この状況でもし結婚したとして、和恵ちゃんやいつか生まれるかもしれない子どもを捨てることは簡単ではないから」と、自分が捨てられる前提で話が進められたことに目の前が真っ白になるくらいの衝撃を受けました。

 

さらに、固まっているあなたを彼は週末のピアノコンサートに誘いましたね。
結婚できないと言ったその場で週末のデートに誘う彼の気持ちがまったくわからず、あなたは混乱の極致に陥りました。

 

それまであなたが彼の一番の理解者であろうと振る舞い続けてきたことで、彼は一片の疑いもなく今回も受け容れてもらえると信じていたのでしょう。
状況を呑み込めてきたあなたが別れを切り出した時の彼の驚いた顔を、17年後の今も覚えています。

 

 

この17年間で、私は飛躍的に成長しました。
だからこそ、今のあなたに伝えたいことがあります。
今のあなたにはまだ気づけていない、大事なことです。

 

 

「あなたは、あなたを、大切にしなければならない」

 

これは11年後のあなたが旅行先で受け取った言葉です。
他の誰かから言われた言葉ではありません。自分の中から湧き上がってきた言葉です。


この言葉を受け取った時、私は神様から贈られた言葉なのだと思いました。
でも今は、未来の自分からのメッセージを受け取ったのだと確信しています。

 

なんてことはない普通の言葉なのに、私はバスの中で号泣していました。

 

自分を大切にしていないことに気づいたからなのでしょう。
それまで気づかないようにしていた痛みや悲しみ、苦しみに気づいたからなのでしょう。
自分の中のひずみや矛盾に気づいたからなのでしょう。

 

 

私はきっとこの時、生まれ変わったのです。

 

 

あなたはなにも悪くない。
あなたが彼のそばにいるという役割が終わっただけなのです。

 

同じように、彼もなにも悪くない。
彼があなたのそばにいるという役割が終わっただけなのです。

 

必要なことが必要なタイミングで起こっただけのことなのです。

 

 

「ずっと一緒にいて幸せにしてあげられなくてごめんなさい」とあなたは自分を責めていたけれど、あなた自身は彼とずっと一緒にいる選択をして幸せになれていたと思いますか?

 

何も言わずに物わかりのいいふりをして、常に笑顔を向けようとしていたけれど、自分が尊重されていないと感じた場面が何度もあったことに気づいていますね?

 

うっかり不満を感じようものなら、にっこり笑って、すぐに見えないようにフタをするのが美しい生き方だとあなたは思っていましたね。

 

そのまま一緒にいたとして、彼の理想のパートナーを演じるために自己犠牲を繰り返し、自分の本心を封印したままで、この人生を終わらせていたのではありませんか?

 


本当のあなたはそんな人生を望んでいたのですか?

 


耳をふさいで人の言葉を受け容れようとしない今のあなたに届く言葉はきっと少ない。
でも、敢えて伝えます。

 

幸せは誰かに与えてもらうものではありません。
人や状況に影響されることなく、自分自身の内側からあふれてくるものです。


自分以外の誰かにコントロールされる幸せは、あなたの本当の幸せではありません。

同様に、あなたが「幸せにしてあげる」と自分の存在を捧げることも、彼の本当の幸せではありません。

 

彼と過ごした7年間は、自分の本心を抑え続けている違和感を知り、本当の幸せとはどういうものなのかに目を向けるための学びの期間だったのです。

 


あなたと私の名前「和恵」。

 

「和に恵まれる」ことを期待する生き方から「和を恵む」生き方にシフトする、第一段階がこの時に完了したのです。

 

「和に恵まれる」ために自己犠牲も自己欺瞞も必要ないこと、「和を恵む」にも相手の自由意志を最も尊重する必要があることを、あなたは彼との7年間を通して学んだのです。

 


「あなたは、あなたを、大切にしなければならない」

 

今のあなたには、この言葉はまだ心に響かないでしょう。
あなたが結構頑固なことも、私は知っていますからね。
あなたが素直にこの言葉を受け取れるようになるタイミングが、きっと11年後の出雲旅行の時なのでしょう。

 

あなたは今、自分のことが許せなくて大嫌いかもしれません。
でも、17年後の私はあなたのことを心から大切に想い、愛しています。

 

保険会社のCMで流れていた小田和正さんの歌が、私の中で流れ始めました。

 

時を超えて 君を愛せるか
本当に君を守れるか
空を見て考えてた
君のために今何ができるか
忘れないでどんなときも
きっとそばにいるから

 

あなたのために、今の私、17年後の私ができること。
私の言葉を受けとめきれない今のあなたに伝わるように、「言葉ではない方法」で、あなたに伝えようと思います。

 

 

「あなたはなにも悪くない。

 今は人生に希望のかけらすら感じられなくても、

 必ず未来に光があることを

 17年後の私は知っています。

 

 あなたが生まれる前から決めてきた

 魂の目的を成し遂げるために、

 どうか、生きるために生まれたことを、

 祝福されてこの世界に送り出されたことを

 思い出して」

 

 

そんな想いを右手に込めて、今、私はあなたの頭を撫でています。

 

 

「自分にはもう何も信じられるものがない、

 あなたはそう思っているかもしれないけれど、

 あなたの中で輝きを放っている宝物があることを

 私は知っています。

 

 たとえば、美しいものに心惹かれる感性。

 たとえば、人の心を穏やかに開くあなたの声。

 たとえば、文章を綴る才能。

 

 大丈夫。

 あなたの中には誰にも脅かされることのない、

 あなただけの素晴らしい資質があるのだから」

 

 

私の手の感触が、温度が、今のあなたに伝わっていることを私は知っています。

 

 

部屋の中には自分ひとりしかいないのに、誰かに頭を撫でられた。


そのことがずっと不思議でしたが、謎が解けました。
未来の私、17年後の私が撫でていたのですね。

 

そして、17年後の私とともにチームとなってくださっている神様や龍神様や天使たちも、私の想いと一緒に愛と光を今のあなたに贈っています。

 

あなたは決してひとりではありません。未来の私たちがあなたを応援しています。

 


先ほど時空を超えて17年後の私の手の感触を感じたように、この先の未来で、あなたのスピリチュアルな感性が目覚める時がきます。

 

(中略)

 

あなたが目を腫らして泣き続けた日々、気力を失い引きこもっていた一年を、私は無駄にしません。

あなたがつらく苦しい経験をしてくれたからこそ、この先の幸せがより素晴らしいものになります。

 

あなたがあなたらしく、つまり、私が私らしくいられる生き方で、共に幸せになりましょう。
生きることを共に全うしましょう。

 

(略)

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※

 

 

 

 

 

私は身をもって体験しているのです。

想いが時空を超えて過去に届くことを。
時空を超えて過去に干渉することができることを。


時空力メソッドに出会った時、そんなことにはまったく気づきませんでした。
けれど、今となってはすべてが必然、私が出会うべくして出会ったのだと確信しています。


私が東京サロンでファシリテーターのひとりとして質疑応答させていただいた時、

「養成講座2期で不思議系を担当している蒼です」と名乗ったのにはこういった背景があったのでした。

 

私は「ふんわり癒し系」なだけではないのです、実は。